複数の化学物質過敏症を持つ人々が住宅のニーズを自らの手で解決する

経堂

大阪 – 柳田哲男は長年、自分が多発性化学物質過敏症（MCS）であると述べてきた。MCSは、周囲の人環境中の化学物質に曝露されると呼吸困難やその他の症状を経験するあまり知られていない病気である。

20年後、彼は現在、この病気を持つ人々に家を提供するために、化学物質を含まない建材を使用して住宅地を改修している。

兵庫県西宮市の柳田さん（４７）は「家で深呼吸もできない人や、普通の生活を諦めている人たちを助けたい」と語った。

MCS を患っている人は、化学物質の中でも特に洗剤や塗料などの合成物質に反応し、頭痛、吐き気、めまい、体の痛み、呼吸困難などのさまざまな症状を引き起こす可能性があります。

横浜に本拠を置く認定非営利団体であるMCSサポートセンターによると、日本では100万人以上が、たとえ少量の原因物質への曝露によってこの病気を引き起こしているという。

この数字にもかかわらず、MCSの症状が実際に化学物質への曝露によって引き起こされるのか、またこの状態が病気として分類できるのかについて、医学界では議論が続いている。

世界保健機関は国際疾病分類にこの疾患を記載しておらず、米国のジョンズ・ホプキンス大学は、多くの医療専門家が「これらの症状は主要な医学的疾患ではなく、精神疾患の身体的症状であると考えている」と述べている。

そのためか、日本ではこの病気を診断する医師が少なく、多くの患者が症状を黙って耐えている。 症状が重い人の中には、自宅から自宅への移動を余儀なくされ、働くことができない人もいます。

柳田さんは、東京で働いていた2002年に木造アパートに引っ越してから呼吸困難やその他のMCSの症状を経験し始めた。柳田さんは、床板の下に散布された殺虫剤が原因だと考えている。 換気に努めたにもかかわらず、不快感に耐えられず、1週間以内に退去した。

その後、柳田さんは転職して地元の兵庫県に戻ったが、仕事中に頭痛やめまいなどの症状が続いた。 2018 年に、彼はフルタイムの仕事に就いていたことから契約社員となり、在宅勤務が可能になりました。

柳田さんは「私と同じように悩んでいる人はたくさんいるはず」と化学物質過敏症の人たちの居住空間の不足を感じ、同年、化学物質不使用の賃貸物件を提供する副業に着手した。

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通常、日本の賃貸物件では、新しい入居者が決まったら壁や天井を張り替える必要があります。 作業を早くするために、厚い壁紙には、壁をより柔軟にする化学物質を含む可塑剤がよく使用されます。

ヤナギダは、壁内の有害な揮発性有機化合物の蒸発を防ぐために、アルミニウムシートを下に敷いた特殊な壁紙を使用しています。 この製品は、化学薬品を使用しない住宅を探している入居者の仲介役を務めるMCS患者によって設立された京都に本拠を置く会社パハロ・カンパーナによって販売されている。

同社は「シックハウス症候群」や関連疾患を予防するための安全な住宅製品を研究開発しているという。

「他人の苦しみに共感できる人は、お互いに助け合うんです」と柳田さんは言う。彼は今年から働き始めた神戸市の集合住宅の2部屋を改装中だ。

彼は以前にも建設業者を雇っていたが、「彼らは事態の深刻さを理解していないため、物事をめちゃくちゃにし続けている」。

柳田では、パハロカンパーナとの連携により賃料を抑えられるメリットに加え、入居前に部屋の隅々まで確認できるため「安心」と入居者から好評をいただいている。

MCS サポート センターには年間約 2,000 件の問い合わせがあり、その多くは住宅選びに関するものです。 同センター担当者は「症状は人によって異なるが、住環境は患者全員が直面する深刻な問題だ」と話す。

柳田氏が担当する物件はすべて集合住宅内に位置しているため、近隣のアパートから漂ってくる柔軟剤や芳香剤などの香りで症状が出る可能性は依然としてある。

柳田さんは「将来的には団地の全部屋を化学物質持ち込み禁止仕様のノンケミカルにし、病気があっても安心して暮らせる地域づくりをしていきたい」と語った。

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